要介護高齢者に適切な住環境とは? ドアノブはどんな形が適切? 第33回 問題130 高齢者に対する支援と介護保険制度

社会福祉士 国家試験問題の解説

はじめに

要介護高齢者が自宅等で快適に、安全に過ごすためには、階段・床・ドアノブ・廊下幅等の住環境を整備する必要があります。

現在では、介護保険制度を利用することによって、住宅改修を行うことができるうえに、福祉用具をレンタル・購入することができます。これを利用して快適な住環境を整えることができます。

この記事では、科目「高齢者に対する支援と介護保険制度」の過去問題を取り上げ、高齢者に求められる住環境にはどのようなものがあるかを解説します。

この記事を読めば、これが理解できる

  • パーキンソン病の患者の住環境において、床を滑り止め加工することは適切か
  • 車いす利用の場合、どの程度の廊下幅が適切か
  • リウマチ患者の住環境において、どのようなドアノブの形態が適切か

参照した文献はこちら

第33回 問題130

問題 130 要介護高齢者の住環境整備に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 階段は、ステップの面と高さの色彩コントラストをはっきりさせる。

2 床の滑り止めを極力強化することで、転倒を防止する。

3 手指に拘縮がある場合、握り式のドアノブにする。

4 車いす利用の場合、有効な廊下幅は 550㎜以上である。

5 ポータブルトイレの設置は、ベッドからできるだけ遠ざける。

解説

正答:1

選択肢1:正しい

正しい。要介護高齢者の住環境において、特に階段は転倒・転落のリスクがあるため注意が必要です。

ステップ面と高さの色彩コントラストをはっきりさせることで、要介護高齢者が段差を認識しやすくなり、転倒・転落のリスクを軽減することができます。

選択肢2:誤り

誤り。転倒防止の観点から、床に滑り止め加工すること自体は正しいです。ただし、問題文の「極力強化すること」が不適切と捉えます。

滑り止めを強化し過ぎてしまうと、かえって転倒を誘発してしまいます。また、歩行器や福祉用具を使用した場合にも転倒の恐れがあります。

要介護高齢者の状態、移動方法に合わせた強化・工夫が求められます。

選択肢3:誤り

誤り。要介護高齢者の手指に拘縮がある場合(例:関節リウマチ等)は、握り式のドアノブは扱いにくく、ドアの開閉が不便となります。

高齢者が扱いやすいものとしては、レバー型のドアハンドルが適切です。

選択肢4:誤り

誤り。要介護高齢者の住む住環境として、車椅子同士が行き交うことのできる廊下幅は800mm~900mmくらい確保することが好ましいです。

高齢者福祉施設などの場合は、もっと広い幅(1200mmくらい)のある廊下が求められるでしょう。

選択肢5:誤り

誤り。そもそも、ポータブルトイレは何のためにあるのか理解しておけば解ける問題です。

ベッドからトイレまでの移動に時間がかかったり、身体的に大きな負担があって移動が困難な場合に、ベッドサイドにポータブルトイレを置いて、その不便さを解決するのが狙いです。

よって、ベッドから遠ざけてしまうのでは本来の目的や狙いから離れてしまい、不適切であるといえます。

出典・引用

第33回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)

社会福祉士国家試験、介護福祉士国家試験、精神保健福祉士国家試験:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター
社会福祉士国家試験、介護福祉士国家試験、精神保健福祉士国家試験、資格登録、その他社会福祉事業についてのご案内など。

参考文献

きちんと整理されているのでとても分かりやすく、効率よく覚えることができます!

 

 

タイトルとURLをコピーしました