第33回 問題67
事例を読んで、S市福祉事務所のM生活保護現業員の支援に関する次の記述のうち、最も適切なものを 1 つ選びなさい。
【事例】
Aさん(30 歳、女性)は、会社員として働いていた 3 年前に乳がんと診断された。仕事をしながら治療を受けることが困難であったため会社を退職し、現在、生活保護を受給し、S市福祉事務所のM生活保護現業員による支援を受けている。
約 1 年間の治療を経て、現在はパートタイムの仕事ができる程度に体調が回復しており、検診の結果,「軽労働」が可能と診断された。そこでAさんは、体調に合わせて働ける職場での再就職を希望している。
1 日常生活自立を図るため、Aさんに被保護者就労準備支援事業の利用を促す。
2 Aさんの同意を得て、公共職業安定所(ハローワーク)と福祉事務所が連携した就労支援チームによる支援を行う。
3 Aさんの同意を得て、公共職業安定所(ハローワーク)に配置される就職支援コーディネーターに職業相談・職業紹介を依頼する。
4 Aさんの同意を得て、福祉事務所に配置される職支援ナビゲーターに公共職業安定所(ハローワーク)と連携した支援を依頼する。
5 Aさんの同意を得て、S市において生活困窮者自立相談支援事業を受託している社会福祉協議会に被保護者就労支援を依頼する。
解説
正答:2
選択肢1:誤り
1 誤り。被保護者就労準備支援事業は、上記動画で説明内で登場したCさんのように、ただちに就職が困難で、就労に向けて複合的な課題を抱えている方が対象です。
事例で登場したAさんは、一定の配慮は必要ではありますが「軽労働」が可能で、日常生活の自立に関して複合的な課題があるとはいえません。
つまり、この事業の適切な対象であるとはいえないため、誤りです。
選択肢2:正しい
2 正しい。Aさんの同意を得たうえで、彼女の課題・状況に応じた条件で、配慮のある求人を探すためには、福祉事務所と公共職業安定所(ハローワーク)とが連携し、就労支援チームによる支援が有効であるといえます。
選択肢3:誤り
3 誤り。就職支援コーディネーターは福祉事務所に配置され、支援対象者と個別に面接を行います。
事例で出たAさんのように、本人の希望や経験、能力を確認して、適切な就労支援メニューを選定し、公共職業安定所につなぐ役割が期待されています。
選択肢4:誤り
4 誤り。就職支援ナビゲーターは、公共職業安定所(ハローワーク)に配置されます。上記就職支援コーディネーターよりも、より具体的な就労支援を行う役割が期待されています。
個別の求人開拓や、職業相談・紹介、福祉事務所との連絡調整の役割を担います。
選択肢5:誤り
5 誤り。生活困窮者自立支援制度は、生活保護の受給には至らないけれども生活に困窮した者が対象となります。
Aさんは現に生活保護受給者であり、今回の生活困窮者自立支援制度というよりは、先述の生活保護受給者等就労自立促進事業の利用が適切です。
また、被保護者就労支援事業は、生活保護制度に規定されている事業であり、主な委託先は保護の実施機関または、社会福祉法人等です。
引用・出典
第33回 社会福祉士国家試験(社会福祉振興・試験センター)
参考文献
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