はじめに
ソーシャルワーカーは面接場面において、様々な技法やアプローチを駆使します。
今回取り上げる、開かれた質問、閉じられた質問は、ソーシャルワーカーが利用する質問の技術であるといえます。以下、詳しく見ていきましょう。
この記事を読めば、これが分かる!
- 閉じられた質問の概要
- 開かれた質問の概要
- 明確化、支持、要約の技法
参照した文献はこちら
第33回 問題109(社会福祉士国家試験 過去問題)
次の記述のうち,ソーシャルワーカーが用いる面接技法に関する説明として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 明確化とは,クライエントを精神的に支えるための応答をすることである。
2 閉じられた質問とは,クライエントに多くの語りを促す質問方法である。
3 支持とは,クライエントの語りをソーシャルワーカーが明確にして返すことである。
4 開かれた質問とは,クライエントが,「はい」や「いいえ」など一言で答えが言える質問方法である。
5 要約とは,クライエントが語った内容をまとめて反射することである。
解説
正答:5
選択肢1:誤り
明確化とは、クライエントがうまく表現できない語り・表現等を援助者が代わりに感じ取り、言葉にする技法を指します。
例えば、クライエントが「私としては何と言ったらいいか…」と言い淀んでいたとすると、ソーシャルワーカーが適切なタイミング「それは○○○ということですか?」と明確にしてあげることです。
選択肢2:誤り
閉じられた質問とは、「はい」または「いいえ」、簡単な一言で答えられる質問の方法です。開かれた質問(後述)に対して、クライエントが回答に窮している場合に使用します。
例えば、ソーシャルワーカーがクライエントに対し「お元気ですか?」「○○は好きですか?」等、簡単に答えられるように質問することです。
選択肢3:誤り
支持とは、ソーシャルワーカーがクライエントを精神的に支えるような応答をする技法です。「指示」(さしず)ではありません「支持」です(サポートの意)。
例えば、面接場面においてクライエントが「私としては○○のような気持ちになったのです…」といった場合、ソーシャルワーカーがそれを支持する言葉かけとして「そのように思うのは当然のことですね」という、等です。
選択肢4:誤り
開かれた質問とは、「はい」または「いいえ」では答えられない質問の方法です。面接場面において、クライエントの言葉を引き出すことが狙いです。
例えば、ソーシャルワーカーがクライエントの言葉を意図的に引き出すために「なぜそう思ったのですか?」や「どのようにしたらいいと思いますか?」といいます。それに対し、クライエントは「私としてはできれば○○してほしいと思っています」と、自分の意見や考えを口に出させるのが狙いです。
選択肢5:正しい
要約とは、クライエントの語った言葉・内容をソーシャルワーカーが的確にまとめて、タイミングよく返す技法です。
たとえば、クライエントが「母が昼間は寝て、夜は起きている状態が続いていて…」といったとしてます。それに対し、ソーシャルワーカーが「昼夜逆転しておられるのですね」と言いたいことを要約するのです。
出典・引用
第33回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)
参考文献