日常生活自立支援事業とは? 第33回 問題097 相談援助の基盤と専門職

相談援助の基盤と専門職

はじめに

日常生活自立支援事業は、認知症高齢者、知的障がい者、精神障がい者等、判断能力が不十分な人が対象で、福祉サービスの利用手続き、金銭管理等の手伝いを行い、自立した生活ができるよう支援する事業です。

実習主体は、都道府県または指定都市の社会福祉協議会です。

この記事を読めば、これが分かる!

  • 日常生活自立支援事業の目的
  • 日常生活自立支援事業の対象、主な支援の内容
  • 多職種連携の視点からの支援

参照した文献はこちら

第33回 問題097(社会福祉士国家試験 過去問題)

事例を読んで,多職種連携の観点から,この時点でのT市の地域包括支援センターのB社会福祉士の対応として,適切なものを 2 つ選びなさい。

〔事 例〕

担当地区の民生委員のCさんより,一人暮らしのDさん(80 歳,男性)のことでT市の地域包括支援センターに相談の電話があった。Dさんは 3 か月ほど前に妻を亡くした後,閉じ籠もりがちとなり,十分な食事をとっていないようである。Dさんはこれまで要支援・要介護認定は受けていない。B社会福祉士がDさんの下を訪ねたところ,Dさんは受け答えはしっかりしていたが,体力が落ち,フレイルの状態に見受けられた。

1 法定後見制度の利用を検討するため,弁護士に助言を求める。

2 サロン活動の利用を検討するため,社会福祉協議会の福祉活動専門員に助言を求める。

3 日常生活自立支援事業の利用を検討するため,介護支援専門員に助言を求める。

4 介護老人福祉施設への入所を検討するため,医師に助言を求める。

5 栄養指導と配食サービスの利用を検討するため,管理栄養士に助言を求める。

解説

正答:2、5

選択肢1:誤り

事例を読む限りでは、Dさんは受け答えがしっかりしており、判断能力は十分であると推察できます。よって、現時点では法定後見制度の利用を検討するほどの状態ではありません。

選択肢2:正しい

事例を読むと、差し当たりDさんのニーズは社会的交流の促進と低栄養状態の改善であると分かります。よって、Dさんがサロン活動を利用することで、社会的交流が図られるのならば、この利用を検討する価値があります。

また、相談先としては選択肢内に記載のとおり、社会福祉協議会の福祉活動専門員が適切です。

選択肢3:誤り

日常生活自立支援事業とは、認知症高齢者、知的障がい者、精神障がい者等の判断能力が不十分な人が対象で、日常生活を送るうえで心配ごとがあれば相談に応じ、必要な支援(福祉サービスの利用契約など)を行う事業です。

前述のとおり、現時点ではDさんの判断能力は十分であると推察されるため、この事業の利用というのは短絡的な判断となります。相談先は、都道府県または指定都市の社会福祉協議会です。

選択肢4:誤り

Dさんは介護老人福祉施設の入所を望んでいる訳ではありません。繰り返しになりますが、Dさんにとって今必要なことは、低栄養状態の改善と、社会的交流の促進です。

また、要介護認定を受けている訳ではないため、要介護状態か否か不明であり、介護老人福祉施設への入所が適切であるとはいえません。

選択肢5:正しい

Dさんの低栄養状態を改善するため、栄養指導と配食サービスの利用を検討するために、管理栄養士へ相談することは適切であるといえます。

出典・引用

第33回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)

社会福祉士国家試験、介護福祉士国家試験、精神保健福祉士国家試験:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター
社会福祉士国家試験、介護福祉士国家試験、精神保健福祉士国家試験、資格登録、その他社会福祉事業についてのご案内など。

社会福祉法人 全国社会福祉協議会 「ここが知りたい 日常生活自立支援事業」

https://www.shakyo.or.jp/news/kako/materials/100517/nshien_1.pdf

参考文献

 

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