はじめに
後期高齢者医療制度の対象は、75歳以上の者に限られるのでしょうか?
この記事では、我が国の公的医療保険の保険者・被保険者に関する全体像を示しつつ、健康保険・国民健康保険・後期高齢者医療の保険者・被保険者を理解することができます。
この記事を読めば、これが分かる!!
- 公的医療保険制度の特徴を知りたい方
- 保険者と被保険者の違いを知りたい方
- 健康保険、国民健康保険、後期高齢者医療制度の保険者・被保険者を知りたい方
- 後期高齢者医療制度の対象、例外規定を知りたい方
参照した文献はこちら
第33回 問題070(社会福祉士国家試験 過去問題)
問題 70 医療保険制度における保険者とその被保険者に関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。
1 健康保険の保険者には,全国健康保険協会が含まれる。
2 船員保険の保険者は,健康保険組合である。
3 日雇特例被保険者の保険の保険者は,国民健康保険組合である。
4 国民健康保険の被保険者には,国家公務員共済組合の組合員が含まれる。
5 後期高齢者医療制度の被保険者は,75 歳以上の者に限られる。
解説
正答:1
選択肢1:正しい
正しい。
主に労働者等が加入する被用者保険には、次の種類があります。
- 健康保険
- 船員保険
- 共済組合
選択肢にある「全国健康保険協会」は、1の健康保険の保険者です。
保険者とは
被保険者または加入者から保険料を徴収し、保険事業を運営する者や団体を指します。
被保険者とは
保険者に対し保険料を拠出し、保険に加入する者。保険事故が起きた際に、保険サービスを利用することで、その費用負担を最小限に留めることができます。
選択肢2:誤り
誤り。船員保険の保険者は、国・政府です。
選択肢に記載のある「健康保険組合」は、健保組合の保険者です。
選択肢3:誤り
誤り。日雇特例被保険者の保険の保険者は、全国健康保険協会です。
選択肢に記載のある「国民健康保険組合」は、国保組合の保険者です。
選択肢4:誤り
誤り。国民健康保険の被保険者は主に次のような者が挙げられます。
- 農業従事者
- 自営業者
- 被用者の一部(零細企業等の従業員)
- 無職者
選択肢に記載のある「国家公務員共済組合の組合員」は、健康保険のなかの共済保険に加入します。
共済組合には、国家公務員・地方公務員・私立学校教職員等の組合があります。
選択肢5:誤り
誤り。後期高齢者医療制度の対象は、75歳以上の者または65歳以上75歳未満の一定の障害を抱える者が対象です。
75歳以上で生活保護受給者の場合は適用除外となり、生活保護上の「医療扶助」で医療サービスを受けます。
出典・引用
第33回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)
参考文献
きちんと整理されているのでとても分かりやすく、効率よく覚えることができます!