各種相談事業の目的、対象、内容を整理するッ! 第33回 問題093 相談援助の基盤と専門職

相談援助の基盤と専門職

はじめに

近年、福祉専門職が担う相談事業は複数あります。いくつかあることで逆に、何を目的に、誰が対象で、どのような相談支援事業があるのか複雑すぎて覚えられない方がいるかもしれません。

この動画では各種相談事業の目的、対象、内容を整理してイメージ化しました。ご視聴されて理解を深めて下さい。

この記事を読めば、これが分かる!

  • 各種の相談事業の法的根拠、目的、対象が整理できる
  • 教育機関等で活躍するスクールソーシャルワーカーの役割が理解できる

参照した文献はこちら

第33回 問題093(社会福祉士国家試験 過去問題)

問題93 国が規定する近年の相談事業に関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。

1 地域で生活する障害者のために,「地域生活定着促進事業」が創設され,地域生活定着支援センターにおいて相談支援業務が行われるようになった。

2 「スクールソーシャルワーカー活用事業」において,社会福祉士や精神保健福祉士等がその選考対象に明記されるようになった。

3 地域包括支援センターでは,社会福祉士等によって「自立相談支援事業」が行われるようになった。

4 矯正施設退所者のために,「地域生活支援事業」が創設され,市町村における必須事業として相談支援事業が行われるようになった。

5 生活困窮者自立支援制度が施行され,その中核的事業として「総合相談支援業務」が行われるようになった。

解説


正答:2

選択肢1:誤り

地域生活定着促進事業は、主に矯正施設退所者が対象です。

再犯防止推進法等が法的な根拠で、目的は矯正施設退所者が福祉的なサポートを受けながら地域社会でできるだけ自立した生活を送り、定着することです。

対象は矯正施設を退所した障がい者・高齢者等のうち、福祉的な支援の必要な者です。

選択肢2:正しい

選択肢に記載されている内容のとおりです。

スクールソーシャルワーカー活用事業は、スクールソーシャルワーカーを学校等の教育機関に設置し、教育機関の職員や行政等と連携し、児童生徒、家族等の抱える問題を解決に導くのが狙いです。

選択肢3:誤り

自立相談支援事業は、主に生活に困窮する者・家族が対象です。法的根拠は、生活困窮者自立支援法です。

何らかの事情で生活に困窮する人たちの相談に応じ、必要な情報提供や助言を行うことにより、自立の促進を図るのが狙いです。

福祉事務所が設置されている自治体等が、自立相談支援機関を設置して、上記の支援・援助を行うというものです。

自立相談支援機関 窓口一覧(厚生労働省)

選択肢4:誤り

地域生活支援事業は、主に障がい者・障がい児が対象です。法的根拠は障害者総合支援法です。

このような人たちがハンディキャップを抱えていても、地域で自立した生活を送ることができる、または社会生活を営むことができるように、必要な支援等を行うものです。

選択肢5:誤り

総合相談支援事業は、主に高齢者・家族等が対象です。法的根拠は介護保険法です。

地域包括支援センターにおいて、専門職が地域に住む高齢者・家族からの相談に応じ、必要な情報提供を行うとともに、保健・医療・福祉サービスにつなげるような支援を行うのが狙いです。

まとめ

今回取り上げた相談事業を整理します。次の画像をご覧下さい。

出典・引用

第33回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)

社会福祉士国家試験、介護福祉士国家試験、精神保健福祉士国家試験:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター
社会福祉士国家試験、介護福祉士国家試験、精神保健福祉士国家試験、資格登録、その他社会福祉事業についてのご案内など。

参考文献

きちんと整理されているのでとても分かりやすく、効率よく覚えることができます!

 

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