パーキンソン病患者に対するソーシャルワーク 在宅生活を継続したい? 第33回 問題128 高齢者に対する支援と介護保険制度

社会福祉士 国家試験問題の解説

第33回 問題128

事例を読んで、W居宅介護支援事業所のC介護支援専門員(社会福祉士)によるDさんへの支援内容として、適切なものを 2 つ選びなさい。

〔事 例〕
Dさん(69 歳、女性、要介護 2 )は長男(42 歳)と暮らしている。10 年前にパーキンソン病と診断され、服薬を続けている。小刻み状態の歩行であり、自宅のカーペットは、ずれやすく転びそうになることがある。ベッドの端座位からの起立に時間がかかる。食事の際、たまにむせることがある。また、最近は昼間に強い眠気がある。担当のW居宅介護支援事業所のC介護支援専門員は、自宅で安心して暮らしていきたいというDさんと長男の意向を踏まえ、居宅サービス計画を立案している。

1 転倒防止のため、できるだけベッド上での安静を図るよう指示した。

2 転ばないように、カーペットを固定することを助言した。

3 強い眠気は薬の副作用であるので、薬の減量を長男に指示した。

4 ベッドからの起立を楽にするために、一気に起き上がることを勧めた。

5 食べ物が喉の途中に引っかかる感じがないか、Dさんと長男に確認した。

解説


正答:2、5

選択肢1:誤り

誤り。この支援の内容・方法では、転倒のリスクを軽減すること自体はできるかも知れませんが、Dさんの残存機能を低下させてしまいます。

また、Dさんの廃用症候群のリスクが高まってしまうため、長期的に見て自宅での生活が困難になってしまう恐れがあります。よって、誤りです。

選択肢2:正しい

正しい。問題文に「カーペットはずれやすく~」とあるように、現在の住環境を適切にアセスメントすれば、この支援方法は正しいといえます。

カーペットを固定することで、Dさんの転倒リスクを軽減するといった支援は適切です。

選択肢3:誤り

誤り。問題文には、強い眠気の原因が薬の副作用であるとは書かれていません。

もし仮にそうであったとしても、薬の減量は医師の指示に基づいて行われるものであるため、社会福祉士が指示するのは不適切です。

選択肢4:誤り

誤り。ベッドの端座位からの起立に時間がかかるからといって、一気に起き上がる方法は不適切です。

また、Dさんがバランスを崩して転倒する恐れがあるうえ、起立性低血圧の恐れがあるため、このような支援・方法はNGです。

選択肢5:正しい

正しい。問題文に「食事の際に、たまにむせる」との記載がああり、その原因を探るために情報収集する姿勢は、ソーシャルワーカーに求められる多角的アセスメントであるといえます。

つまり、食事においてどのような課題があるのか、その原因を本人や長男に尋ねることは適切です。

出典・引用

第33回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)

社会福祉士国家試験、介護福祉士国家試験、精神保健福祉士国家試験:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター
社会福祉士国家試験、介護福祉士国家試験、精神保健福祉士国家試験、資格登録、その他社会福祉事業についてのご案内など。

参考文献

きちんと整理されているのでとても分かりやすく、効率よく覚えることができます!

 

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