はじめに
ある事情があって家庭で暮らせない子どもたちを、自分の家庭に迎え入れて養育する人を里親といいます。里親には次のような種類があります。
里親の4種類
- 養育里親
- 専門里親
- 養子縁組里親
- 親族里親
里親を包括的に支援するフォスタリング機関というものがあります。この記事では、ある里親への支援を行う事例を見ながら、このフォスタリング機関の概要を取り上げます。
この記事を読めば、これが分かる!
- 里親養育包括支援とは
- フォスタリング機関の主な役割
参照した文献はこちら
第33回 問題101(社会福祉士国家試験 過去問題)
事例を読んで,エコシステムの視点に基づくEさんへのFソーシャルワーカー(社会福祉士)の対応として,適切なものを 2 つ選びなさい。
〔事 例〕
U里親養育包括支援(フォスタリング)機関のFソーシャルワーカーは,里親のEさん(42 歳,女性)宅へ訪問した際,委託を受け養育しているGちゃん(10 歳,女児)のことで相談を受けた。Gちゃんは,最近無断で学校を休み,友達のHちゃんと万引きをした。EさんはGちゃんに注意し,諭したが,Gちゃんは二日前に再び万引きをした。Eさんは夫に心配を掛けてはすまないと思い,一人で対処してきたが,自分の里親としての力のなさに失望している。
1 「Gちゃんの万引きがやまなければ,児童相談所に委託の解除を相談してはいかがでしょうか」
2 「Gちゃんが通う学校の先生に,Gちゃんの学校での様子について尋ねてみてはいかがでしょうか」
3 「Hちゃんとの付き合いが,Gちゃんの問題を引き起こしているのでしょう」
4 「お一人で悩まれずに,Gちゃんのことをご夫婦で話し合われてはいかがでしょうか」
5 「Gちゃんに欲しい物を尋ね,買ってあげてはいかがでしょうか」
解説
正答:2、4
選択肢1:誤り
今回の支援においてソーシャルワーカーに求められるのは、Eさんへの共感的な関わりと、傾聴姿勢です。Eさんの話を聞いて差し上げて、これまでの労をねぎらい、今後どのようにしていくのか一緒に考えることです。
里親委託解除を提案するのは不適切であり、Eさんはこれを希望している訳ではありません。
選択肢2:正しい
エコシステムの視点では、Gちゃんの環境との関わりを重視します。
つまり、学校におけるGちゃんの様子を知ることは、今回のGちゃんの問題行動や課題の原因や背景を知るきっかけになるため、正しいといえます。
選択肢3:誤り
万引きや無断欠席は、Hちゃんとの関係が原因だと断じるのはあまりにも短絡的な判断であり、その根拠がありません。ソーシャルワーカーがそのような助言をするのは不適切であるといえます。
選択肢4:正しい
Eさんが自分自身の力の無さに失望しているため、これをサポートする存在として夫の力を借りることは適切であるといえます。
夫がどのようにGちゃんを見ているのか、新たな視点が想起されれば、Gちゃんと環境との関わりで別な視点、新たな情報が収集されるかもしれません。
選択肢5:誤り
Gちゃんの万引きの原因=ほしいものがあると捉えるのは短絡的な見方で、エコシステムの視点とはいえません。
今回の行動には、どのような背景があるのかを探るなど、環境との調整に関して支援が必要です。
フォスタリングとは
次の画像、またはURL先を参照して下さい。
出典・引用
第33回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)
特定非営利活動法人 優里の会
参考文献
とても分かりやすい参考書です!
整理されてイメージで覚えることができます!